こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。
前回は代用乳そのものの扱い方でした。温度・濃度・時間をブラさず、毎日同じミルク🍼を飲ませるという内容です。
今回はその答え合わせ……といきたいところですが、先に白状します。DGの計算は知っています。知っていて、私は出してこなかった。体重も胸囲も測っていない。これから数字を取り始めます。
【技術編を読む前の注意点】
※本記事は、「経済動物」としての視点に基づいた繁殖経営のノウハウです。
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■ DGは引き算と割り算だけ
日増体量(DG)は、1日に何kg増えたかを表す数字です。計算はこれだけ。
(今回の体重 − 前回の体重)÷ その間の日数 = DG(kg/日)
20日前に60kg、今日が76kgなら、(76−60)÷20で0.8kg/日。電卓ひとつで出ます。
測るのは月に一度でいい。大事なのは1回の精度より、測り続けて前と比べることです。
黒毛和種の資料では、自然哺乳の子牛は1日0.8kg前後で増えるとされています。土佐あかうしにそのまま当てはめてよい数字ではありませんが、桁を照らし合わせる目安にはなります。
■ 体重計はない。でもメジャーならある
繁殖農家に子牛用の体重計があることは、そう多くありません。私のところにもなく、それを理由に測らずにきました。
けれど、胸囲から拾う方法はあります。肩の後ろあたりを一周させ、換算表で体重に読み替えます。メジャー1本なら私にもできる。
公表されている早見表では、胸囲80cmでおよそ42kg、90cmで62kg、100cmで87kg。たった10cmの差が、体重では20kg以上になって表れます。
推定式の誤差は10%未満に94%が収まるとされています。それでも黒毛和種のデータで作られた式です。だから始めるなら、絶対値は当てにせず、同じ人が同じ位置を測り続けるところからです。
飼料をやった直後は腹が膨れて数字が動くので、2時間以上あけてから測る。ここを揃えないと、増えたのか膨れただけなのか分かりません。
腹囲も測れば、腹囲÷胸囲という見方もできます。愛知県の試験場の資料では、この値が1.2に届いた子牛は初期の発育が優れていたと報告されています。昔から言われる「腹づくり」を、そのまま数字にした指標です。
■ 疑う順番だけは、先に決めておく
DGが前回より落ちた。そのとき何から疑うか。まだ自分の数字はありませんが、順番だけは決めておきたい。
まずミルクの量と濃さを、粉の量まで戻って確かめる。次に糞——下痢が始まっていないか。そして寒さ。冷えた体を温め直す分のエネルギーは、体作りに回りません。最後に寄生虫や、隠れた発熱。
ただ、忘れてはいけないことがあります。数字は原因を教えてくれない。DGは「どこかがおかしい」と知らせるだけで、犯人探しは結局、現場の目の仕事です。
■ 最後に
毎日牛を見て、触っています。「この子は伸びている」という感覚はある。でも、その日の機嫌で揺れます。
数字は揺れません。前回お話ししたミルク管理も、この数字があってはじめて「効いていた」と言えるはずです。
体重測定は手間です。それでもメジャー1本あれば、育成は測れるものに変わる。まずはそこから始めます。
🔔 次回予告
【第58回】なぜ牛は「ウロウロ」するの?行動から読み解くメッセージ


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