こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。
前回は、牛の色覚と動きへの反応をお話ししました。今回は少し雰囲気を変えて、皆さんがスーパーで毎日目にしている「和牛」と「国産牛」の違いについて解説します。
実はこの2つ、まったくの別物です。同じ売り場で並んでいるので混同されがちですが、表示の意味を知ると牛肉選びがガラリと変わります。
■ 「和牛」は日本生まれの4品種に限定された呼称
「和牛」と表示できるのは、日本で改良されてきた4つの品種に限定されています。
①黒毛和種(市場の約95%を占める「和牛の代表」)/②褐毛和種(高知系統と熊本系統があり、私たちの土佐あかうしはここ)/③日本短角種(東北の山地に強い品種)/④無角和種(山口県で守られる希少品種)。
これら4品種およびその交雑種だけが「和牛」を名乗れます。サシ(霜降り)の入り方や肉質の特徴も、品種ごとに大きく違うのです。
■ 「国産牛」はもっと広い概念
一方、「国産牛」とは日本国内で一定期間(最も長く)飼育された牛の総称です。
たとえば、海外で生まれて生後数ヶ月で日本に来た牛でも、日本での飼育期間が一番長ければ「国産牛」と表示できます。品種は問われず、和牛4品種以外にも乳用種(ホルスタインのオス)や交雑種(F1)など、さまざまな牛が含まれます。
つまり、「和牛」⊂「国産牛」という関係。和牛は必ず国産牛ですが、国産牛が必ずしも和牛とは限らないのです。
■ 「ブランド牛」はまた別の話
ここでもう一つ混同されがちなのが「ブランド牛」です。松阪牛・神戸牛・米沢牛・近江牛──聞いたことがある名前も多いはずですが、これらは品種名ではなく産地と育て方による称号です。
ブランド牛とは、特定地域で定められた基準(品種・飼育期間・血統・出荷月齢など)を満たして育てられた牛のこと。日本には300以上のブランド牛があると言われ、ほとんどは和牛(主に黒毛和種)をベースにしています。
私たちの土佐あかうしも、「褐毛和種・高知系統」という品種名であると同時に、高知県が誇るブランド牛でもあります。つまり土佐あかうしは、品種としても希少、ブランドとしても地域に根ざした、二重の意味で特別な牛🐂なのです。
■ 価格差の正体は「品種」と「飼育期間」
スーパーで「和牛」が「国産牛」より高いのは、飼育期間の長さと品種の希少性が理由です。
和牛、特に黒毛和種は出荷まで約30ヶ月。一般的な乳用種(10〜15ヶ月)の倍以上の手間と餌代がかかります。さらに4品種に限定された希少性も価格に上乗せされます。
ちなみに私たちが愛する土佐あかうし(褐毛和種・高知系統)は、和牛全体の中でわずか0.5%程度しかいない超希少品種。霜降り偏重ではなく赤身の旨味を追求した独自の魅力があります。
■ スーパーの表示を見抜くコツ
スーパーで肉選びをするとき、以下のポイントをチェックしてみてください。
①パッケージに「黒毛和牛」「和牛」と書いてあるか/②「国産牛」と書いてある場合は品種は何か/③産地表示(高知県産あかうし、など)
「国産牛」表示でも、品種が明記されている場合は和牛である可能性が高いです。逆に品種記載がなく単に「国産牛」とだけある場合は、乳用種や交雑種であることが多いと考えてよいでしょう。
■ 最後に
「和牛」は品種を指す名前、「国産牛」は飼育場所による表示、そして「ブランド牛」は産地と育て方による称号──この3つの違いを知ると、毎日の食卓で食べている肉が、どんな牛から来たものなのかが見えてきます。
次回からは少し視点を変えて、牛飼いの私が今どんなふうにAIを活用しているかを連続でお伝えします。「AIなんて都会の話」と思っている農家さんにこそ読んでほしい、現場発の実録シリーズです。
🔔 次回予告
【第47回】牛飼いもAIを使う時代へ——「自分で動くAI」が農家の仕事を変える


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