【第52回】乳首の管理①:穴の大きさ・硬さ・空気口

専門技術とノウハウ
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こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。

子牛編の第2ユニット「哺育の工学」、今回は哺乳器の乳首(ニップル)の話です。地味な部品ですが、ここの管理を外すと子牛の飲み方が一気に崩れます。今日は「穴の大きさ・硬さ・空気口」の3点に絞ってお話しします。


【技術編を読む前の注意点】 ※本記事は、「経済動物」としての視点に基づいた繁殖経営のノウハウです。 閲覧にご不安がある方は、[プライバシーポリシー‐免責事項]をご確認ください。


■ 穴の大きさ:「出すぎ」も「出なさすぎ」も事故のもと

まず気をつけたいのが乳首の穴の大きさです。

穴が大きすぎると、子牛が吸う力以上にミルク🍼が口へ流れ込みます。勢いよく飲めているように見えても、実際には誤嚥(気管に入る)のリスクが上がる。逆に穴が小さすぎると、飲むのに時間がかかって途中でやめてしまい、飲み残しにつながります。

さらに、吸う力を超えて流れ込んだミルクは、本来第4胃へ届くはずが第1胃に流れ込むルーメンドリンカーを招き、子牛の鼓脹症につながります。この話は改めて別の記事で詳しくお話しします。

「速く飲めるほど良い」ではありません。しっかり吸って飲む速さが理想です。新品と穴が広がった乳首では出方がまるで違うので、時々は自分の目👀で確かめています。


■ 硬さ:吸わせて肺を強くする

次に乳首の硬さです。

やわらかすぎる乳首は吸う抵抗がなく、子牛が楽に飲めてしまいます。自分が硬さを意識しているのは、強く吸わせて肺🫁を育てるためです。適度な硬さの乳首を力いっぱい吸わせることが、呼吸にかかわる力を鍛える運動になると考えています。

その背景には、肺炎を患うと一生治らない😷という現実があります。だからこそ、飲ませ方の段階から肺を強くしておきたい。もちろん、劣化して裂けかけた乳首は論外です。手で押してみて当初のハリが失われていたら、交換のサイン✔だと見ています。


■ 空気口:出が悪いとき・乳首が潰れるときに疑う

見落とされがちなのが乳首についた空気口(通気穴)です。

毎回チェックしているわけではありません。あまりにもミルクの出が悪いとき、吸っている最中に乳首が潰れてくるとき——そういう兆候があったら、空気口がしっかり空いているかを確認します。空いていなければ自分で空けます。というのも、穴が空ききっていない不良品がたまに混ざっているからです。

空気口から空気が入らないと、代わりに吸い口側から空気が入ろうとして、子牛の口の中でミルクの逆流を促してしまうのではないか。吸ったはずのミルクが戻ろうとするせいで、うまく飲み込めず誤飲につながるのではないかと考えています。



■ 最後に

前回、人工哺乳では「人がミルク🍼でコントロールする」ことが大事だとお話ししました。ただ、どれだけ量を設計しても、子牛が飲みきれなければ意味がありません。その最後の関門が、口元の乳首です。穴・硬さ・空気口——この3点を押さえるだけで、飲み残しや事故は目に見えて減ります。


🔔 次回予告
【第53回】乳首の管理②:長さと消毒、交換時期

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