こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。
前回は、子牛の寒さへの脆さについてお話ししました。今回はがらっと話題を変えて、牛の不思議な「睡眠🛌💤」の世界を覗いてみましょう。
皆さんは「牛舎で寝ている牛」を見たことがありますか?案外少ないと思います。実は牛は、人間と同じ意味では「ほとんど寝ていない😳」のです。
■ 深い睡眠は1日たった30分
研究データによると、牛の総睡眠時間は1日約4時間。これだけ聞くと「結構寝ている」と思うかもしれませんが、その内訳が驚きです。
4時間のうち深い眠り😴(ノンレム睡眠の徐波睡眠)はたった30分前後。残りはほぼ「ウトウトとした浅い眠り」で過ごします。私たち人間の深い眠りが1晩で2〜3時間あることを考えると、牛は驚くほど浅い眠りで生きていることが分かります。
■ 胃袋を24時間動かす必要があるから
なぜそんなに浅い眠りなのか。最大の理由は第1胃を止めるわけにいかないからです。
第1胃の発酵は止まると詰まりや鼓腸症を起こしてしまいます。だから牛は寝ているときも反芻を続け、定期的に立ち上がって姿勢を変える必要があります。完全に意識を失うような深い眠りは、命に関わるリスクなのです。
加えて、草食動物は本来「狙われる側」。捕食者から身を守るため、いつでも逃げられる浅い眠りに進化したという説もあります。
■ 立ったまま、ウトウトと反芻
牛舎をよく観察していると、目を半分閉じて口だけがゆっくり動いている牛がいます。あれが反芻しながらウトウトしている状態😪。立ったまま、あるいは伏せたままでこのモードに入ります。
人間でいう「うたた寝」を1日中こまめに繰り返しているようなもの。私たち牛飼いも最初は「具合が悪いのかな?」と心配しますが、口がリズミカルに動いていれば心配ありません。
■ 深い眠りのサインを見つけたら大歓迎
たまに、伏せた状態で首をぐっと体に乗せて完全に脱力している牛を見かけます。これが牛にとっての深い眠りのサイン。
さらに自社では、横になって足や首を伸ばしきり、完全にだらんとした状態で寝ている牛も見かけます。初めて見たときには「一瞬、死んでいるのではないか😱」と驚くほどの脱力ぶりです。
私たち繁殖農家にとって、この姿は「群れが安心している証拠」でもあります。捕食者の気配がない、室温が適正、お腹が満たされている──そんな条件が揃ったときだけ、牛は完全に脱力できるのです。
逆にこの姿勢が見られない群れは、何らかのストレス要因がある可能性があります。睡眠は健康と環境のバロメーターでもあるのです。
■ 最後に
人間とは全く違う睡眠パターン──浅い眠りと反芻を繰り返しながら、お腹の中の発酵タンクを24時間動かし続ける牛たち。「ウトウト😪」しているのが、彼らにとってのベストコンディションなのです。
次回は、目を開けたままウトウトする牛が、いったいどんな景色を見ているのか。330度もの広い視野を持つ牛の世界に飛び込みます。
🔔 次回予告
【第44回】330度の視界!牛に見えている世界とは?


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