【第54回】内臓の主役交代:第4胃から第1胃への誘導

専門技術とノウハウ
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こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。

2回にわたって哺乳器の乳首の話をしてきました。ここまでは「ミルク🍼をどう飲ませるか」。今回はそのミルクが体の中でどこへ行くのか、そして子牛の胃で起きる主役交代のお話です。


【技術編を読む前の注意点】 ※本記事は、「経済動物」としての視点に基づいた繁殖経営のノウハウです。 閲覧にご不安がある方は、[プライバシーポリシー‐免責事項]をご確認ください。


■ 生まれたての子牛は「胃が4つある」とは言えない

牛は胃が4つある——学校ではそう習います。でも生まれたばかりの子牛では、第1胃はまだ小さく機能していません。草を分解する微生物もほとんどいません。働いているのは第4胃。消化液でミルクを消化する、人間と同じ普通の胃です。


■ ミルクは第1胃を通らずに第4胃へ

では飲んだミルクはどう届くのか🤔。ここで働くのが食道溝反射です。子牛が乳首を吸うと反射で溝が閉じて筒になり、ミルクは第1胃を素通りして第4胃へ落ちます。

うちで気をつけているのはがぶ飲みをさせないこと。乳首の穴が大きく、吸った量より多く入ってしまう飲み方だと反射がうまく働きません。行き先を外したミルクが第1胃に入りそこで異常発酵を起こす、この現象そのものをルーメンドリンカーと呼びます。


■ 主役交代は、待っていても始まる

第1胃はミルクだけでは育ちません。固形飼料が入って発酵が始まることで内壁(絨毛)が育ち微生物が増える。うちでは最初の45日ほどは基本ミルクで体を大きくします。すると自然とミルクだけでは足りなくなり、自分から固形飼料を食べ始めます。個体差はありますが、放っておいても切り替わりは進みます。

そのペースをミルクの量で握るのが人の仕事💪です。スターターは10日齢くらいから、常に100gほどある状態にし、残り具合を見て足します。最初の1週間はスターターだけ。先にスターターの味を覚えてほしいからで、チモシーはその後に少量から。

水もスターターと同時に。ミルクを飲んでいる時期でも、別にバケツ🪣で自由に飲めるようにします。第1胃の発酵は水の中で進みます。1日1回は新鮮な水🚰に替えます。

45日を過ぎたらミルクを下げます。子牛はお腹が減ったら食べると覚えているので、離乳は3段階に分けて進めます。45日齢で1日のミルクを500ml減らし、66日齢でさらに500ml。76日齢からは朝の1回だけにし、もう1回はお湯に。90日齢で離乳です。

お湯はストレスを和らげるためと、配合の発酵に水が要るから。離乳後も1週間は朝にお湯をやります。基準は1日1.6〜2kg食べていること。届かなければ配合の量を見て1週間ほど延ばします。



■ 最後に

哺乳は「飲ませて終わり」ではなく、次の胃を育てる期間でもあります。ミルクが第4胃で子牛を支えているあいだに、第1胃を立ち上げておく。この二段構えを意識するかどうかで、離乳のときの姿がずいぶん変わります。伸びる場所は月齢で違います。3ヶ月まではミルクでの体格づくりと、スターターや乾草での絨毛の発達に一番いい時期です。


🔔 次回予告
【第55回】スターターと乾草:物理的刺激の必要性

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