【第24回】水はバケツ数杯分を一気に!1日100kgを飲み干す驚異の飲水量

元教師の食育解説
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こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。

前回の授業では、牛が1日に100リットル以上もの「唾液🤤」を出し、それが胃袋の中の微生物を守るための大切な役割を果たしていることをお話ししました。

さて、ここで鋭い読者の皆さんは一つの疑問を持ったのではないでしょうか。 「100リットルの唾液を出すための水分は、一体どこから来ているの?」ということです。

答えは単純明快。牛がそれ以上の「水🚰」を飲んでいるからです。 今回は、牛の健康と命を支える基盤である**「飲水量」**について授業を始めます!


1100キロ!?驚きの「水飲み」事情

大人の牛(体重600~700kg程度)が1日に飲む水の量は、季節やエサの種類にもよりますが、一般的におよそ80~100リットルと言われています。

重さにすると約100kg。私たち人間が1日に飲む水の量がだいたい2リットル前後ですから、牛はその50倍近くの水を毎日体に取り入れていることになります。10リットルのバケツで言えば、毎日10杯分🪣を飲み干している計算です。

特に、おっぱいをたくさん出すお母さん牛(乳牛など)の場合はさらに凄まじく、1日に150リットルから、夏場には200リットル近く飲むこともあります。まさに「歩く給水タンク」状態ですね。


なぜ、そんなに大量の水が必要なのか?

牛がこれほどまでの水分を必要とするのには、主に3つの理由があります。

1. 巨大な「発酵槽」を維持するため 何度も登場している牛の第1胃(ミノ)は、巨大な「発酵工場🏭️」です。ここには数兆個の微生物が住んでいますが、彼らが活発に働くためには、胃の中が適度な水分で満たされた「スープ状」である必要があります。水分が足りないと胃の中がドロドロになりすぎて、発酵が止まってしまうのです。

2. 100リットルの唾液を作るため 前回の復習になりますが、牛は胃の中を中和するために大量のアルカリ性の唾液を必要とします。この唾液の主成分は当然「水💧」です。飲んだ水の一部は血液となり、唾液となって再び胃へと循環していきます。

3. 体温を調節するため 牛は汗をかくのが苦手な動物です(これについては後の回で詳しくお話ししますね)。そのため、冷たい水を飲むことで体の内側から体温を下げ、暑さをしのいでいます。🥵


牛の飲み方は「バキューム」!?

牛の水の飲み方を観察したことはありますか? 犬や猫のように舌ですくって飲むのではなく、人間がストローで吸い込むように、口を水面にピタッとつけて**「ズズズッ!」**と一気に吸い込みます。

そのスピードも驚異的😳です。牛は1分間に約10~20リットルの水を吸い込むことができます。喉が渇いている時には、バケツ1杯分(10リットル)の水を、わずか30秒足らずで空っぽにしてしまうのです。


最後に:「水」は最も安くて大切な栄養素

私たち農家にとって、水はエサと同じ、あるいはそれ以上に大切な「栄養素」です。 どれだけ高級なエサを与えても、水が汚れていたり足りなかったりすれば、牛は体調を崩し、エサを食べる量も減ってしまいます。

「常に清潔で、たっぷりとした水が飲める環境を整えること」 これは、牛飼いの仕事の中でも最も基本的で、かつ最も重要な技術の一つです。

さて、これほど大量の水を飲み、大量の草を食べる牛ですから、当然「出口」の方も大変なことになります。 次回は、牛の健康のバロメーターであり、環境を守る資源にもなる「あの話」に移りましょう。


次回予告

【第25回】毎日が山積み!?牛の尿とフンの量から見る循環

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