こんにちは、土佐あかうし先生🐂です!
前回【第10回】では、繁殖の土台となる「BCS(体型管理)」についてお話ししました。適切な体型を維持できたら、次なる関門は分娩後の**「子宮回復」**です。
理想の「一年一産」を叶えるためには、分娩後約80日以内に次の受胎をさせる必要があります。この限られた期間でいかに早く、確実に子宮を回復させるか。今回は、自社で徹底している観察ポイントと管理ルールを公開します。
【技術編を読む前の注意点】
※本記事は、「経済動物」としての視点に基づいた繁殖経営のノウハウです。閲覧にご不安がある方は、[プライバシーポリシー‐免責事項]をご確認ください。
■子宮回復を妨げる「悪露・後産停滞」を見逃さない
子宮回復を遅らせる最大の原因は、後産停滞(胎盤の排出遅れ)や悪露(おろ)停滞です。
後産停滞は見た目ですぐに分かりますが、厄介なのは悪露停滞です。自社では目視だけでなく、**「嗅覚👃」**を研ぎ澄ませて観察しています。治療が必要なレベルの悪露停滞が起きている場合、牛舎に独特の強烈な臭いが発生するからです。
- 白い粘液(カス混じり⚪️):少量であれば、正常な自浄作用の範囲内であることが多いです。
- ピンクの粘液(血液混じり🩸):要注意⚠️です。多くの場合、腐敗臭を伴い治療対象となります。
特に夏場は腐敗が進みやすいため、臭いによる早期発見と、即座の獣医への相談が、その後の受胎率を大きく左右します。
■離乳の「7日間ルール」:免疫移行と経営判断
受胎率を考える上で、もう一つ重要なのが「子牛をいつ母牛から離すか」というタイミングです。
自社では、基本ルールを**「分娩後7日間」**としています。 この期間の最大の目的は、初乳による免疫の移行です。生後間もない子牛に免疫をしっかり移すことは、その後の発育における絶対条件です。
以前、特殊な事情で1ヶ月ほど親子を同居させたことがありましたが、その際は親から離した後の「人工乳首への順化」に非常に苦労しました。一方で、親の真似をして早くから餌を食べるようになるというメリットも見られました。
早期離乳で母牛の発情回帰を促すか、親子同居で子牛の食い込みを優先するか。「正解のない」牛飼いの現場において、この**トレードオフ(利害得失)**をどう判断するかが経営者の腕の見せ所です。
■まとめ
子宮の回復を早め、スムーズな離乳を行うことは、次なる命を授かるための「バトンタッチ」です。
さて、今回お話しした「子宮回復」や「安産」を影で支えているのは、実は分娩前の**「給餌管理」**に他なりません。
次回は、自社が試行錯誤の末にたどり着いた、「昼間分娩」を増やすための長藁給餌術や、WCS管理の課題について詳しく解説します。
🔔次回予告
【第12回】分娩時間をコントロール!昼間分娩を成功させる「長藁給餌」の秘密とホルモン調整


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