【第14回】母牛へのリスペクトを込めて。増し飼いで守る「あか牛・黒牛」それぞれの命

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こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。

前回の記事では、後産停滞を防ぐ栄養管理についてお話ししました。 分娩に向けた体づくりにおいて、もう一つ私が大切にしているのが「増し飼い」です。*増し飼いとは胎児への栄養補給や母牛の体力づくりのために母牛の妊娠末期(分娩の約2ヶ月前)から、エサの給与量を増やすことです。

最近では「子牛が大きくなりすぎて難産になるのを防ぐため、増し飼いをしない」という農家さんも増えています。しかし、自社ではあえて分娩2ヶ月前から産後2週間ほどまで配合飼料を増やす運用を続けています。

それは、新しい命を懸けて産む母牛に対し、しっかり栄養をつけて大仕事に臨んでほしいという、私たちが持つ「母親へのリスペクト✨️でもあります。


【技術編を読む前の注意点】 ※本記事は、「経済動物」としての視点に基づいた繁殖経営のノウハウです。閲覧にご不安がある方は、[プライバシーポリシー‐免責事項]をご確認ください。


昨年の苦い経験から学んだ「放牧中の栄養管理」

自社では放牧も行っていますが、昨年、非常に苦労した経験があります。 放牧していた妊牛を分娩1ヶ月前に下ろし、そこから増し飼いを開始したのですが、放牧による体力の消耗が予想以上に大きかったのか、生まれてきた子牛がどれも驚くほど小さかったのです。

この時の子牛の活力の低さが、後に「一ヶ月間親につけて育てる」という特殊な判断をするきっかけにもなりました。現在はその反省を活かし、放牧中であっても分娩が近い牛には少しずつ配合飼料を与えるようにしています。


あか牛と黒牛、埋められない「10kgの体格差」

増し飼いをする上で理解しておかなければならないのが、種類による体格差です。 改良が進んでいる黒牛🐃は、平均40kg前後(オス40~45kg、メス35~40kg)の子牛が生まれます。

対して、土佐あかうし🐂は平均30kg前後(オス30~35kg、メス25~30kg)と、10kg近い差があります。あか牛は、増し飼いをしてお腹がよく張っていても、いざ産まれてみると「ほとんどが羊水で子牛は小さい🤦🏻‍♂️」ということがよくあります。これは、これまでの改良の歴史の差だと感じています。


最後に:増し飼いが「その後の成長」を左右する

生まれた時の体格差は、そのままミルクを飲む量や初期の活力に直結します。 子牛が元気に育ち、将来立派な牛になるためには、やはりスタートダッシュ🏃💨が必要です。だからこそ、増し飼いによって母体からしっかり栄養を伝えることが、その後の成長を支える大きな鍵🔑になると私は考えています。

もちろん太らせすぎは禁物ですが、あか牛と黒牛それぞれの特性を見極めながら、これからも「命を繋ぐための栄養管理」を追求していきたいと思います。


🔔次回予告

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