こんにちは!土佐あかうし先生🐂です。
前回の授業では、健康のバロメーターとしての「鼻」についてお話ししました。鼻先にある汗腺からじわじわと分泌液が出ることで、しっとり濡れているのが健康の証、というお話でしたね。
しかし、実は牛という生き物、全身で汗をかくのがとっても苦手🥵💦なんです。 特に高知県のような暑い地域では、夏場はまさに牛たちの命を守るための「時間との戦い」になります。
今回は、牛たちの意外な弱点である**「暑さ🫠☀️」**について授業を始めます。
■牛の平熱は「38.5度~39.5度」
まず知っておいてほしいのが、牛の体温🌡️です。 人間の平熱は36度台ですが、牛の平熱は**「38.5度~39.5度」**ほど。人間からすれば「かなりの高熱🤒」に感じる温度が、彼らにとっての日常です。
この体温は常に一定ではなく、例えばエサを食べた後などは、胃袋が活発に動いて熱を発するため、39.3度くらいまで上がることも珍しくありません。 私たち農家は、検温した際に「39.5度なら微熱、40.0度を超えたら発熱」と判断し、すぐに治療や対策を考えます。牛の体の中は、常にエネルギーを燃やしている「大きなストーブ🔥」のようなものなのです。
■汗をかけない、熱が逃げない
私たち人間は、暑いと全身から汗をかき、その気化熱で効率よく体温を下げることができます。 ところが牛は、鼻先などの一部を除いて汗腺💦(かんせん)が未発達で、全身からドバッと汗をかいて体温を調節することができません。
さらに、大きな体と厚い皮ふに覆われているため、一度体に熱がこもってしまうと、なかなか外に逃がすことができないのです。 牛にとって、気温が25度を超えるとすでに「暑い」と感じ始め、30度を超えると深刻な**「暑熱ストレス🤬」**を感じるようになります。
■「大人は暑さに弱く、子供はどっちも苦手」
実は、成長ステージによっても暑さへの耐性は違います。
- 成牛(大人の牛): 寒さには比較的強いですが、大きな体で熱を作りやすいため、とにかく暑さに弱いです。
- 子牛: 以前の回でも少し触れましたが、寒さに弱くお腹を壊しやすい一方で、実は暑さにもそれほど強くありません。体温調節機能がまだ未熟なため、人間と同じように細やかなケアが必要になります。
■現場での「冷やし」の工夫
そんな暑がりの牛たちのために、私たちは牛舎でさまざまな工夫をしています。
- 大型扇風機: 天井の巨大なファン🌪で常に風を送り🌬、熱を逃がします。
- ミスト(細かな霧): 風と一緒に霧🌧を吹き付け、気化熱で体感温度を下げます。
- 冷たい水: 夏場の水は、喉を潤すだけでなく内臓を直接冷やす「冷却水」の役割も果たします。
夏バテで食欲が落ちてしまうと、牛はすぐに痩せて体調を崩してしまいます。いかに涼しく過ごさせて、エサをしっかり食べてもらうか。夏場の牛舎管理は、まさに農家の腕の見せ所💪なのです。
■最後に
分厚い皮ふと、胃袋の中の「発酵熱」があるおかげで、大人の牛は冬の寒さにはドシッと構えていられますが、日本の蒸し暑い夏は最大の強敵です。
こうして厳しい環境下で過ごす牛たちが、今日も一日元気に過ごせているか。私たちは全身を見て観察しますが、実は「耳👂️」の動きや状態も、牛が発している大切なメッセージを読み解く鍵🔑になります。
次回は、第1ユニットの締めくくりとして、音を拾うアンテナであり、健康状態を映し出す鏡でもある、牛の不思議な「耳👂️」についてお話ししましょう。
🔔次回予告
【第29回】牛の「耳」は高性能レーダー!音を拾う力と体調のサイン

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