こんにちは、土佐あかうし先生🐂です!
前回までは、発情発見センサーの活用法など「外側」の技術についてお話ししました。しかし、受胎率を劇的に高めるために何より欠かせないのが、牛の「内部」の準備、つまり適切な体型管理です。
今回は、繁殖経営の羅針盤とも言える**「BCS(ボディコンディションスコア)」**の重要性と、自社での具体的な管理術を深掘りします。
【技術編を読む前の注意点】
※本記事は、「経済動物」としての視点に基づいた繁殖経営のノウハウです。閲覧にご不安がある方は、[プライバシーポリシー‐免責事項]をご確認ください。
■牛の健康状態を測る物差し:BCSとは?
繁殖農家にとって、最も重要な指標の一つがBCS(Body Condition Score)です。これは牛の脂肪のつき具合や肉づきを評価する指標で、自社では分娩時および種付け時に**「3.0~3.5(5段階評価)」**を維持することを理想としています。
- BCSが低すぎる(痩せすぎ💀):栄養不足により卵巣機能が低下し、発情不順や不受胎の直接的な原因になります。
- BCSが高すぎる(太りすぎ🫃🏻):難産のリスクが高まるだけでなく、**卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ)**の原因にもなります。また、直腸検査や人工授精の際、脂肪が邪魔をして作業が非常に困難になるという現場泣かせの側面もあります。
■大規模経営における「個体管理」の工夫
自社のような多頭飼育の現場で、一頭一頭の体型を細かく管理するのは容易ではありません。そこで活用しているのが**「スタンチョン(頭絡をつける柵)」**です。
スタンチョンを利用することで、個体ごとの正確な給餌量の調整が可能になります。また、Farmnoteなどのセンサーで「長期不受胎」の牛を早期に見つけ出し、その牛たちをまとめて目の届きやすい場所に配置換えするなど、アナログな観察とデジタルな管理を組み合わせて、迅速に体型改善へ繋げています。
■最後に:基礎工事としての体型管理
適切なBCSを維持することは、牛が本来持っている繁殖能力を最大限に引き出すための「基礎工事」です。
さて、体型が整ったら次は、分娩によってダメージを受けた「子宮」をいかに早く回復させるかが勝負となります。 次回は、受胎率を左右する「子宮回復」のチェック法と、自社独自の離乳ルールについてお話しします。
🔔次回予告
【第11回】受胎率アップの鍵(後編):分娩後の子宮回復と悪露停滞。嗅覚・粘液チェックの重要性


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