こんにちは、土佐あかうし先生🐂です!
これまで「発情」や「受胎」についてお話ししてきましたが、無事に妊娠した後の「分娩(出産)」もまた、経営効率を左右する極めて重要なステージです。
分娩が夜中や明け方に重なると、管理者の負担が増えるだけでなく、万が一の事故への対応も遅れがちになります。今回は、自社が試行錯誤の末にたどり着いた、「昼間分娩」を増やすための給餌コントロールのノウハウを公開します。
【技術編を読む前の注意点】
※本記事は、「経済動物」としての視点に基づいた繁殖経営のノウハウです。閲覧にご不安がある方は、[プライバシーポリシー‐免責事項]をご確認ください。
■「夕方給餌」が昼間分娩を呼ぶ?
自社では分娩前(少なくとも1ヶ月前)から、給餌を**「夕方のみ」**に統一しています。これには「夜間に餌を食べることで、昼間に分娩が集中する」という説があるためです。
しかし、単に時間を夕方にするだけでは不十分でした。以前は管理体制の都合で給餌開始時間が不安定になり、結局夜中の分娩が減らないという課題があったのです。そこで自社が徹底したのが、**「給餌時間の固定(夕方5時)」と「長藁(ながわら)の活用」**でした。
■夜の活動時間を増やし、ホルモンを操る
昼間分娩を成功させる最大の鍵は、**「夜の間にどれだけ牛を動かしておくか(食べている時間を増やすか)」**にあります。
- 夜間の活動(食事):夜7時以降も食べ続けさせることで、体内を「活動モード(アドレナリン優位)」に保ちます。
- 昼間の休息:夜しっかり動いた分、昼間にゆっくり休ませることで「リラックスモード(オキシトシン分泌)」を促します。
このオキシトシンこそが、スムーズな分娩を促すホルモンです。自社では、夕方5時の給餌内容に**「長藁🌾」**をたっぷり入れることで、牛が夜通し咀嚼し続ける環境を作りました。その結果、夜間の分娩が劇的に減り、スタッフが対応しやすい昼間の分娩が増えるという成果を得ることができたのです。
■最後に:給餌コントロールの可能性
分娩時間をコントロールすることは、単なる作業効率化ではありません。牛が最もリラックスした状態で、かつ人間が万全の体制でサポートできる環境を作ることが、親子の生存率を高める最善の策なのです。
しかし、分娩を巡る課題は時間だけではありません。次回は、飼料の「質」が引き起こした想定外のトラブルと、自社で今まさに取り組んでいる改善策についてお話しします。
🔔次回予告
【第13回】飼料の光と影:WCS単独管理が引き起こした「悪露・後産停滞」の課題と乾草代替策


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